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2013年5月 管理人

2013/05/18

デジタル簡易無線(アイコム・IC-DPR3)を買いました

デジタル簡易無線機(IC-DPR3)を買いました。久しぶりに無線関係の話題をポストします。はじめに、我々が簡単に利用可能な無線機の種類としては、特定小電力無線、簡易無線、アマチュア無線があります。無線機を利用するためには、2種類の免許が必要で、無線機を操作するための免許と無線機から電波を送信するための免許です。この中で、特定小電力無線と簡易無線は、無線機を操作する免許が不必要です。また、特定小電力無線については、無線機から電波を送信するための免許も不必要です。

すなわち、簡易無線は、無線を操作するための免許は不要ですが、無線機から電波を送信するための免許は必要です。アイコム製のIC-DPR3の場合、技適を取得しているため、無線局の申請は簡易な方法を利用することが可能です。すなわち、無線機を利用する人の情報を総務省の総合通信局に申請するだけです。筆者の場合、香川県高松の住所で登録する予定なので、四国総合通信局に申請書類を提出します。

前置きが長くなりましたが、簡易無線のうち、145MHz帯・440MHz帯を利用するアナログ式(アナログ簡易無線)は、電波利用効率の観点から既に廃止が決定しています。現在、デジタル式(デジタル簡易無線)に移行している段階です。地上波テレビ放送と同様に、こんなところにまで、デジタル化の波が押し寄せているわけですね。

さて、無線機を操作するための免許が不要とはいっても、利用するためには、無線機を総合通信局に申請して免許をもらわなければなりません。そんな面倒くさい手続きをしなくても、特定小電力無線で十分ではないかと考えるかとおもいます。しかし、送信電力、アンテナ利用の自由度が断然違います。

特定小電力無線の送信電力は10mWですが、デジタル簡易無線は、機種にもよりますが5,000mWまで出すことができます。単純に送信電力で比較すると、500倍も多く出すことができるので、通話エリアがかなり広がります。ちなみに、IC-DPR3は最大で1,000mWまで出すことができます。普通に考えると、5,000mWの機種がある中で、1,000mWをあえて買った理由は、バッテリーの持ちと熱です。正直なところ、デジタル簡易無線が利用している350MHz帯の場合、1,000mWで送信しようが、5,000mWで送信しようが、さほど送信距離に差はでないので、発熱が少なくバッテリーの持ちが良いIC-DPR3が手頃な訳ですね(ちなみに、5,000mW級の端末と値段を比べると、1~2万円は差があります)。

また、アンテナに関しても、指定された範囲内のアンテナであれば、交換して利用することが可能です。無線機とは不思議なもので、送信電力のワット数を増やすよりも、性能が良いアンテナに交換する方が、電波の飛びは断然違います。特定小電力無線は、アンテナ交換はできないのですが、デジタル簡易無線には、こういう意味で自由度があります。

仕様について簡単におさらいしておくと、周波数は351.200~351.381MHzです。音声通話としてトランシーバーでやりとりするには、一番使い勝手が良い周波数帯だと思います。総務省のウェブサイト上では、π/4シフトQPSKも候補に挙がっていたのですが、アイコムの無線機は4値FSKを利用しています。経験的にいうと、最大出力の1,000mWで送信すれば、付属のハンディ機アンテナであれば1~2km圏内、車載モービルアンテナに切り替えれば、3~5km圏内は通信圏内になるように思います。高松市内(中心地域)は簡単にカバーできそうです。

デジタル方式はアナログ方式と比べて雑音に弱い欠点があります。従って、従来のアナログ簡易無線と比較すれば、デジタル簡易無線への移行は残念かもしれません。しかし、通話圏内であれば、デジタル式の方が音声がクリアに伝送できると思うので、普通の利用方法であれば、メリットが大きいかもしれません。

私的に気になった点は、音声コーデックとしてAMBEを利用していることから、アイコムが中心となっているアマチュア無線のデジタル化プロジェクトD-STARを連想しました。D-STARが規格化された後に、デジタル簡易無線が出てきたところから、何か察するものがあります(アイコム関係者の方にぜひ聞きたいところです)。D-STARのノウハウがあるので、デジタル簡易無線は使い勝手が良さそうです。