JARLがアマチュア無線で使用される無線周波数(通信チャネル)に関して、バンドプランを見直す意見を集めているようだ。アマチュア無線とは、無線通信を個人レベルで楽しむ趣味のひとつで、そのアマチュア無線家(アマチュア無線を楽しむ人たち)の組織がJARLである。総務省から割り当てられている周波数(通信チャネル)は、許可さえあれば合法的に利用することが可能であるが、効率的な周波数利用の観点から、バンドプラン(どの周波数をどのように使用するか決めたルール)がある。従って、いくら許可されたといっても、バンドプランを無視して運用することはできない(厳密な罰則などがあるわけではないが、紳士協定に従ってルールは守られている)。
さて、そのバンドプランに関して、新しくアマチュア無線家むけに開放された(割り当てられた)周波数帯や、新しい通信方式(デジタル通信など)への対応が求められている。例えば、135KHz帯の新規割当(長波帯:航空無線、海上無線などに利用される周波数帯)、7MHz帯の拡張(中波帯:AMラジオ、短波ラジオなどに利用される周波数帯)、将来的には479KHz帯の拡張(中波帯:中波ラジオ、船舶向け航行情報などに利用される周波数帯)がある。一方、デジタル通信としては、VoIP(パケット通信を利用した音声伝送プロトコル、伝送方式)をベースとしたデジタル音声通信、APRS、D-STARなどのデータ伝送方式の利用が増加している。
上述したことを鑑みて、旧来の利用ルールだけでは、実際の運用では対応しきれなくなっている部分がある。私的には、APRS(アマチュア無線を利用して、無線機(トランシーバ)に搭載されているGPSから取得した位置情報をインターネット上に伝送し、関連する情報の授受を行う)のメイン周波数(現在は144.640~144.680MHzが主に利用されている)の設定、VoIPの呼び出し周波数(通信相手を探すためにブロードキャスト的に利用する専用チャネル、まずこの周波数で一斉に呼びかけ、別のチャネルに誘導して通信を完了する。船舶向けの国際VHF無線なども同様の仕組みがとられている)の設定(現在はVoIPを利用したデジタル音声通信専用のチャネルとして割り当てられており、その中身は厳密に設定されていない)に期待したい。
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